突然ですが、皆様は「中国語」についてどんな印象をお持ちでしょうか。

中国語を勉強したことのない方でも、何となく「ニイハオ」、「シェイシェイ(※この発音は実は間違っています)」程度の単語であればご存知ではないかと思います。

ちなみに中の人が20年ほど前に初めて覚えた中国語は「下載(ダウンロード)」でした。理由は……皆様のご想像にお任せいたします。

そんな知っているようで知らない中国語について、ここではその歴史と種類、そして現代の台湾と中国大陸における中国語の違いについて解説します。

中国語とその歴史

中国語は世界で約13億9,000万人が母語として用いている言語であり、世界最大の母語話者人口を有する言語です。現代では台湾のほか中国大陸、香港、澳門(マカオ)、そしてマレーシア、シンガポールをはじめとする各国の華僑(中華系移民)圏にて話されています。

その歴史は紀元前15世紀頃まで遡ることができ(上古中国語)、紀元前13世紀頃には初期の漢字(甲骨文字)が登場します。

紀元前4世紀頃から科挙制度の制定等を通して徐々に現代の中国語の枠組みが作られてゆき、8世紀頃には詩の文化等が芽生えるようになりました。皆様も中学校にて習ったであろう「國破山河在(国破れて山河あり)〜」で有名な「春望」は8世紀の中国文化を代表する唐詩です。

近代では1895年の日清戦争後に和製漢語(日本人が創作した新しい物事を表すための漢語)が大量に逆輸入され、中国語の語彙は日本語の語彙とともに大きく進化しました。例えば、「People」を表す単語として「人民」、「Republic」を表す単語として「共和」という単語が明治期の日本人学者らによって定義され、これは現在でも「中華人民共和國」の名称に影響を残しています。

中国語とその種類

中国語は、北は極光と白夜を楽しめる黒龍江省、南は常夏の島で有名な海南島、西は中央アジアの草原が広がる青海省、東は満州国最東端でもあったロシアに面する合江省まで、中国大陸だけを見ても広大な地域で話されています。

中国語は古来より各地において独特の進化を遂げてきたため、日本語と同じように現代の中国語にも方言が存在します。
中国語の分類には七大方言という枠組みが用いられることが多く、ここでは①北方語、②吳語、③粵語、④贛語、⑤湘語、⑥閩語、⑦客家語という分け方がされています。

これら方言同士は同じ漢字こそ用いているものの、発音や語彙が異なることから、異なる方言の話者間では会話が困難な場合が殆どです。
そのため、17世紀頃から標準語制定の機運が高まり、1911年に中華民國が成立した頃には①北方語を基礎とした「國語」と呼ばれる標準語が制定されました。

今、皆様が中国語と聞いて想像する「ニイハオ」、「シェイシェイ(※厳密には発音が異なります)」等の単語は、全てこの「國語」の発音に基づくものです。

台湾の中国語とは

台湾では、実は元々中国語は話されておらず、オーストロネシア語族に属するアミ語、プヌン語、タイヤル語等の言語が原住民(台湾では差別的意味を含まないため本記事ではこの単語を採用しています)の間で話されていました。

台湾に中国語が持ち込まれたのは17世紀の頃で、この頃中国大陸の台湾に最も近い地域である福建省から福建人、客家人と呼ばれる中国人が台湾に移民するようになり、七大方言では⑥閩語に属する閩南話と、⑦客家語が彼ら華人の間で話されるようになりました。

その後、1895年から1945年に至るまでは日本の植民地として発展したため先住民も華人も等しく標準語として日本語を話すようになり、1945年からは中華民國の統治下に入ったため中華民國の標準語である國語が日本語に取って代わりました。

このような複雑な歴史を経て、現代の台湾では中国語として①國語、②台灣語(閩南話が台湾において独自の進化を遂げたもの)、③客家語が主に話されています。

その他、原住民の間ではアミ語、プヌン語、タイヤル語等の原住民諸語、また一部高齢者の間では日本語および日本語を基礎とするクレオール言語(寒溪語等)が話されています。

また、台湾では正式な漢字の字体である「正體字(繁體字、繁体字)」が表記に用いられているほか、漢字の入力には「注音」という表音記号を用いています。

中国大陸の中国語とは

中国大陸では第二次世界大戦後から中国共産党の勢力が台頭し、1949年には中華人民共和國の建国が宣言されました。

その後、中華人民共和國は1955年頃に中華民國が制定していた標準語である國語を置き換える言葉として新たに「普通话(普通話)」を、漢字表記として正體字の一部を省略した「简化字(簡体字)」をそれぞれ制定しました。

現在の中国大陸において「普通话」を理解する人口は全体のおよそ8割程度であるとされており、各地域の方言とともに中国大陸全土において幅広く話されています。

また、「简化字」も中国大陸全体において幅広く用いられているほか、海外の華僑圏においても主要な表記法として用いられています。

なお、先述のとおり台湾では漢字の入力に「注音」という表音記号を用いていますが、中国大陸および海外の華僑圏では主に「拼音」と呼ばれるローマ字を用いた入力方法が用いられています。

台湾の中国語と中国大陸の中国語の違い

以下に、台湾の中国語と中国大陸の中国語の違いについて簡潔に整理してみました。

台湾の中国語中国大陸の中国語
中国語の種類國語、台灣語、客家語等普通話、その他各種方言(廣東話、上海話等)
漢字表記正體字(繁体字)簡化字(簡体字)
入力方法注音等拼音等
台湾の中国語と中国大陸の中国語の違い

このほか、台湾の中国語(國語)では所謂「アル化」が少なく、中国大陸の中国語(普通話)では頻繁に「アル化」が見受けられる等、発音においても差があります。

また、台湾と中国大陸では一部語彙も異なります。以下はその一例です。

日本語台湾の中国語中国大陸の中国語
弁当便當(ビェンダン)盒飯(ハーファン)
ジャガイモ馬鈴薯(マーリンシュー)土豆(トゥードウ)
トマト番茄(ファンチエ)西紅柿(シーホンシー)
タクシー計程車(ジーチェンチャー)出租車(チューズーチャー)
乗り場月台(ユエタイ)站台(ジャンタイ)
台湾の中国語と中国大陸の中国語の語彙の違い


更に、同じ漢字でも読み方の異なる単語も存在します。

日本語台湾の中国語中国大陸の中国語
ゴミ垃圾(ラーサー)垃圾(ラージー)
血液血液(シエイー)血液(シュエイー)
カタツムリ蝸牛(グヮーニョウ)蝸牛(ウォーニョウ)
台湾の中国語と中国大陸の中国語の発音の違い


このほか、鉄道の車内放送は台湾では「各位旅客您好(乗客の皆様こんにちは)」や「下一站台北(次は台北です)」、中国大陸では「女士們先生們你們好(紳士淑女の皆様こんにちは)」、「前方到站是上海北站(この先の駅は上海北駅です)」と放送される等、細かい違いが沢山あって面白いです。

南洋翻訳では「正しい中国語」をお届けします

ここまで、台湾の中国語と中国大陸の中国語について、その成り立ちと違いをご紹介しました。

中国語の奥深い世界においてこれはまだまだ一歩目。もしご興味をお持ちいただけましたら、是非さらにインターネットで調べてみていただけますと幸いです。

現在、日本の各店舗や宿泊施設、公共施設等の看板やメニュー、Webサイトで用いられている中国語は、そのほとんどが中国大陸向けの簡体字中国語となっています。

しかし、日本政府観光局(JNTO)の調査によると、2023年に日本を訪れた台湾人の数は約420万人

そして、彼らの日本旅行での消費金額は過去10年間での最高額となる約7,786億円。

現在の国際状況に鑑みても、今後の日本において台湾人に向けた中国語が重要となることは間違いありません。

南洋翻訳は、「正しい中国語」のプロフェッショナルです。國語と正體字(繁体字)を用いて作成した中国語をお届けしますので、皆様の台湾人に向けたアプローチの起爆剤としてご利用いただけます。

これからは、「正しい中国語」の時代です。翻訳のお見積もりは完全無料、まずはお気軽にお問い合わせください。